近年、メイプルをはじめとした木製バットでトレーニングをおこなう中高生が非常に増えています。特に強豪校においては相当な割合で木製バットを採用しています。
大学野球をはじめとした大学以降のステージでは木製バットの使用が義務付けられており、将来的にそうした世界で活躍することを目標にするのであれば、早い時期から木製バットの扱いに慣れておくに越したことはありません。
しかし、木製バットでのトレーニングを取り入れてみようと練習用バットを検討する段階で、「いろいろな木の種類があるけどどれを選べばいいの?」「それぞれどんな特徴があるの?」といった疑問が最初に浮かぶのではないでしょうか。
今回はそうした方のために、野球用バットに使われている木の種類と特徴を解説いたします。また、「どれを選べばいいか分からない」とお困りの方におすすめのメイプルバットのご紹介もさせていただきますので、ぜひ今後の参考にされてみてください!
著者情報
和牛JBグラブ、和牛JBバット、JB竹バット、各種トレーニングバット、グラブトリートメント等、各種野球用品を製造販売する野球用品メーカー、【ボールパークドットコム】です。
弊社では中高生でも扱いやすい82cm・83cmサイズのメイプルバットも製造・販売しております。バット探しでお困りのことやご相談等がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
野球用バットに使われる木の種類
バット材として使用される木材にはある大事な条件があります。それは「堅さ」「反発」「しなり」のバランスがバッティングに適していることです。 時速140km以上の硬式球を打ち返すこともあるため、すぐに折れたり曲がったりするような木材をバットにすることはできません。その一方でただ堅いだけではヒビや割れが発生しやすくなります。
また、しなりを生かしたバッティングが得意な選手にとって堅すぎるバットは扱いづらかったり、その一方で柔らかすぎるとはじき返すバッティングが難しくなったりします。
そのため、野球のバッティングに合った木材となると、使える木の種類は自然と限られてきます。 時代によってバット材の流行は変わりますが、現在主流となっているのは以下の5種類です。
それでは、ここからそれぞれの特徴を解説していきます。
アオダモ
アオダモ(別名:トネリコ、アオタゴ)はモクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹で、“バット材の王様”と言われるほど優秀なバット材です。アオダモを使ったバットは独特のしなりがあり、ボールとバットの接触時間が長いため、“ボールを乗せて打つ”ような感覚があります。
寒さの厳しい寒冷地で自生したアオダモは特に堅くて丈夫・粘性と弾力性に富んでいると言われおり、国内では北海道の太平洋側の標高の高い地域が最高級アオダモの産地として知られています。
アオダモは大きく育つまでに70年以上もの歳月を要します。戦後の無計画な伐採によって国内の産地が激減しており、近年は量産が難しい状況です。 流通量が少なく値段が高騰しているため、一流のプロ野球選手が使うバット材として浸透しています。
他の木材との特性比較として、一覧表を掲載しておりますので、ご参考ください。
ホワイトアッシュ
ホワイトアッシュは別名アメリカトネリコとも呼ばれる木で、北米が原産です。 アオダモよりしなりは乏しいですが、反発力があり、強い打球や速い打球を打つのに適しています。乾燥した地域で威力を発揮しやすく、多くのメジャーリーガーが使用しているバット材です。
メジャーリーグでプレーしていた松井秀喜氏やイチロー氏もアメリカに渡ってからバットの素材をホワイトアッシュに変更しています。 湿度の高い日本では特性を生かしにくいバット材ですが、金属バットに近い堅い打感のため、高校を卒業して大学や社会人で野球を続ける際にホワイトアッシュのバットを選ぶ選手もたくさんいます。
ホワイトアッシュのデメリットは、他のバット材に比べて打球面が剥がれやすいこと。剥がれが激しく、木の目に沿って割れてきます。価格は比較的安いですが耐久性に劣るため、経済的とは言えないでしょう。
メイプル
メイプルは日本でいう楓(カエデ)のことです。メイプルシロップで有名なカナダ産が多く流通しています。非常に堅く反発力があるため、弾くような打感がお好みの方におすすめのバット材です。 軽くて耐久性にも優れており、打球面もあまりへこみません。
総合的には一番おすすめのバット材です。 アメリカ・メジャーリーグにおいてバリー・ボンズ選手がメイプルバットを使い、ヒットやホームランを量産した頃から一気にバット材としての価値が上がったと言われています。
日本でもメイプルバットを使っているプロ野球選手は多く、大学野球や社会人野球でも広く浸透して使われています。
バーチ
バーチは日本でいう樺(カバ)の木のこと。桜の木に特徴がよく似ていることから、カバザクラと呼ばれることもあります。
均等で緻密な木肌・かたくて反りなどの狂いが少ない・粘りや強度が非常に強いといった特徴があり、バット材として非常に優れています。 大谷翔平選手が昨年のシーズンからバットの素材をアオダモからバーチ(イエローバーチ)に切り替えたことで、日本でも一躍注目を集めました。
ちなみに当社ボールパークドットコムは、日本国内でバーチ材バットを製作している数少ない会社の一つです。詳細はバナーをクリックしてご覧ください。
竹
前述のとおり、木材ではないものの分類上は木製バットに属します。
竹はそのままの状態ではバット材に使用できません。薄く切り出した竹板を角柱になるまで張り合わせ、圧力をかけて堅くする加工が必要です。その角柱をバットの形状に削り出すことにより竹バットが作られます。
このことから「合竹バット」とも呼ばれています。 竹バットはボールがバットの芯から外れると、手元に「ビーン!」と痛いほどの強いしびれが伝わります。
このしびれを避けるためにはバットの芯にボールを当てる必要があるため、バッティング練習に最適です。 竹バットは少年野球の試合では問題なく使用できますが、大学やプロ野球では「板を張り合わせたバット材」の使用が禁じられているので、あくまでも練習用におすすめのバット材です。
木製バットを長持ちさせる方法
木製バットを長持ちさせるためには、ボールを芯で打ちましょう。芯以外の部分でボールを打つと、バットに大きな負担がかかりやすく、折れやすくなるだけでなく、バット自体にダメージが蓄積します。
これにより、仮に芯で打ったとしても、以前に芯以外で打ったことによるダメージが影響し、折れてしまうリスクが高まります。また、木製バットにはメーカーによってマークが印字されている面がありますが、この面でボールを打つことは避けましょう。
メーカーは、この印字面を「打球面として推奨していない面」としており、正しい打撃面でボールを打つことで、バットにかかる負担を軽減できます。
木製バットの正しいお手入れ方法について
木製バットを長く使い続けるためには、日頃のお手入れを適切に行う必要があります。ここでは、木製バットの正しいお手入れ方法について解説していきます。
木製バットについた泥や汚れを落とす
まず最初に、試合や練習後は、バットに付着した泥や汚れを取り除くことが大切です。
木製バットは天然の木材でできており、小石や汚れがバットにくいこんだ状態でボールを打つと、打感が悪くなるだけでなく損傷が進んで折れやすくなります。使用後は、必ず乾いた布(ウエス)を使ってバット全体を丁寧に拭き、汚れを取り除きましょう。
水を使ったお手入れは避けよう
木製バットにとって水分は大敵です。水に濡らすと木材が膨張し、耐久性が低下する可能性があるため、バットを水で丸洗いすることは絶対にしないでください。
汚れを落とす際も、乾いた布でから拭きすることが基本です。湿気の多い場所で保管することも避け、乾燥した場所で保管するよう心がけましょう。
打ち味を長く保つために知っておくべき芯詰めとは?
木製バットの芯詰め(木目を詰める)とは、バットのヘッド部分を研ぐことで木材の密度を高める作業であり、木製バットの反発力を向上させる効果があります。木製バットの芯詰め作業は、昔は「牛のツノ」や「牛の骨」が用いられていたと言われていますが、現在では家庭にあるビールの中瓶などを使って行います。
具体的なやり方としては、バットのボールが当たる部分に中瓶を当て、全体重をかけて押しつけるようにします。この「押し込む」動作によって木材の凹みが整えられ、木目が詰まっていきます。特に、ホワイトアッシュ材を使用した軟式用のバットに効果的です。
アッシュ材は使用を重ねるとボールの衝撃で木材が凹んでしまうことが多く、これが打感の悪化につながります。しかし、芯詰めを行うことで凹んだ部分をならし、バットの打ち味を改善することができます。
なお、バットの材質によっては、元々反発係数が高いものもあり、その場合は木目を詰める必要がないこともあります。バットを購入する際にはショップのスタッフに相談し、自分のバットに芯詰めが必要かどうか確認するといいでしょう。
木製バットの保管方法
木製バットは、できるだけ直射日光の当たらない風通しの良い場所に保管しましょう。木材は自然の素材であり、バットの形に加工され塗装が施されているとしても、空気と水分の影響を受けやすいです。
木材は自然界では太陽の方に向かって傾くため、完全に真っ直ぐな状態で立っているわけではありません。そのため、バットが日光を浴び続けたり湿気の多い場所で保管されたりすると、木材が本来の姿に戻ろうとして、バットが反ってしまう可能性があります。
湿度が高い場合の保管方法
湿度が高い場所や梅雨の時期には、バットケースを使って木製バットを保管しましょう。バットケースの中に乾燥剤を2~3個入れることで、、ケース内の湿気を抑えバットが過度な水分を吸収するのを防ぐことができます。
乾燥剤は、100円ショップや通販サイトなどでも気軽に購入できます。また、梅雨時期の晴れ間には、風通しのよい日陰でバットを干しましょう。
直射日光は木材に悪影響を与えるため避けるべきですが、日陰で風を通すことで、バットに溜まった湿気を取り除けます。
JBバットなら20モデル44タイプの中からあなたに合った木製バットが選べる
冒頭にもお伝えしましたが、近年は多くの中高生が木製バットでのトレーニングを取り入れています。また、高校野球では「短くて振り抜きやすいバットを使いたい」という選手が増えており、現在は83cmのバットが主流です。
しかし、「試合で使用する金属バットと同じ長さの木製バットで練習したい」と思っても、83cm以下のものはこれまでほとんど販売されておらず、「自分に合うサイズの木製バットがない」という中高生の声をたくさん耳にしてきました。
そこでボールパークドットコムは「どのようなお客さまにも自分に合うバットを見つけていただきたい」という想いから、和牛JBバットメイプルシリーズ82cm・83cmを展開。これらのサイズであれば中高生も手に取りやすく、練習と試合でフィーリングを変えることなくトレーニングできます。
和牛JBバットメイプルシリーズは82〜85cmサイズの全20モデル44タイプをご用意しています。
(20モデルのうち、82cm、83cm、84cm、85cmの4つの長さを揃えているモデルは、下記の6モデル。)
・005モデル
・006モデル
・009モデル
・012モデル
・013モデル
・018モデル
豊富なラインナップの中から自分に合う1本がきっと見つけられるはずです。また、弊社で製作している木製バットはすべてプロ野球選手が使うバットと同じ材質・製法を用いています。和牛JBバットであれば、中高生の早い段階からトップクラスの道具に慣れ親しむことができます。
木製バットでのトレーニングをお考えの方はぜひ候補の一つとして検討されてみてください。