和牛JBグラブ・ミットの誕生ストーリー

2018年に販売を開始した「和牛JBグラブ・ミット」。

今ではプロ野球選手をはじめとした多くの選手にご愛用いただいていますが、実は和牛JBグラブは、「産地特定革を使用した野球グラブを作る!」と目標を掲げてから、実際に販売にいたるまでに、およそ5年もの歳月を要しました

今回は、その和牛JBグラブ・ミットが誕生するまでのストーリーを、こだわりや特徴なども交えながらお伝えしたいと思います。これを読んだらグラブに対する固定観念が覆るかもしれません!

著者情報

和牛JBグラブ、和牛JBバット、JB竹バット、各種トレーニングバット、グラブトリートメント等、各種野球用品を製造販売する野球用品メーカー、【ボールパークドットコム】です。

弊社では宮崎県産黒毛和牛の革が持つ優れた特性を活かした「和牛JBグラブ」を製造・販売しています。オーダーメイドで世界に一つだけのグラブを製作することも可能です。ミリ単位の細かなご要望にもお応えできますので、お困りのことがございましたらお気軽にご相談ください。


ボールパークドットコム

和牛JBグラブの3つのナンバーワン

和牛JBグラブ・ミットを製作する際にこだわったのは、「日本一の黒毛和牛の皮・日本一のタンナー・日本一のグラブ職人」の3つのナンバーワンです。それぞれについて詳しく解説していきます。

日本一の黒毛和牛の皮

野球のグラブ・ミットは、キップレザーやステアハイドレザーと呼ばれる牛革で作られています。

牛革は「生後◯ヶ月〜◯ヶ月以内の子牛の皮」や「去勢された子牛の皮」など、生後期間や条件などによってさまざまな呼び名があります。 グラブ・ミットの原材料となる牛の皮は、アメリカやヨーロッパ、オーストラリアなどから輸入されたものが主流であり、国産ものはわずかです。

国産牛の皮が使用されない理由は、その特徴にあります。 一般的な国産牛は、欧米の牛と比べて体が小さく、皮が薄くて硬いのです。国産牛は脂肪分が多いので、皮も柔らかそうなイメージがありますが、革に加工する時には脂肪は取り除かれるため、硬い薄皮だけになってしまいます。

外国産の牛は、適度に脂肪分が少なく皮も厚い。よって皮から加工したときに、柔らかくてコシのあるグラブ向きの“革”に仕上がります。

しかし、ボールパークドットコムは、日本古来の牛種「黒毛和牛(雄)」の皮をグラブ用の革に加工してグラブを製作することにこだわりました。 ボールパークドットコムの本社がある宮崎県は畜産の本場です。宮崎県産和牛は5年毎に開催される全国和牛共進会で、4大会連続「内閣総理大臣賞」を受賞しています。

温暖で恵まれた気候の中で育てられた黒毛和牛は、繊維質が非常にしっかりしています。肉牛としての質は「ナンバーワン」。その皮であれば、一流のグラブ用牛革に加工できるのではないかと考えたのです


ボールパークドットコムが誇るナンバーワンの革

日本一のタンナー

牛の皮はなまものであるため、そのまま放置しておくと乾燥して硬くなったり、腐ったりしてしまいます。それらを防止し、耐久性のあるしなやかな“革”にするには、「なめし」と呼ばれる加工が必要です。

余分な脂肪やたんぱく質を除去したり、染色したりといった、数十もの工程を経て“革”へと生まれ変わります。 このなめしのプロを「タンナー」と呼びます。なめしには非常に多くの手法があり、それ次第で感触や風合いがまったく違う革になります。タンナーの手にかかれば、1種類の皮を100通り以上の革に変身させることができるのです。

そのため、タンナーの技術と経験が、革の仕上がりを大きく左右すると言えます。 宮崎県産黒毛和牛の皮は、日本一と称されるタンナーと出会ったことで、一流の「グラブ革」に変身を遂げました。

脂肪分を適度に残す技術が施されることで、革の強度と耐久性が保てるようになったのです。 ボールパークドットコムでは和牛JB革の強度を確かめるために、宮崎県工業技術センター電子機械部の協力のもと、引っ張り測定試験機を用いた試験をおこないました

比較対象として用意した海外産の牛革は、表面に亀裂が入った直後に破断。 それに対し和牛JB革は、亀裂が入った後も和牛特有のしっかりとした繊維質が粘りを発揮しました

検証の結果、和牛JB革は海外産の牛革に比べ、2倍以上の強度があることが分かったのです!こうして「強度・耐久性」と、「柔らかさ・しなやかさ・フィット感」を併せ持つ和牛JB革が誕生しました。これまでに例のない「産地特定革」を使用したグラブが作れることになったのです!


破断試験の風景

日本一のグラブ職人

日本一のタンナーの手によってなめされた革は、グラブ工場に納められます。グラブは、工場が保有している“型”を使い、革から型抜きしたものを職人が縫い合わせることで組み立てられます。

この過程においても、高度な技術と豊富な経験が必要です。 また、グラブの製造方法にはすべての工程を一人でおこなう「一貫方式」と、作業工程によって担当者を分ける「分業方式」がありますが、それによって仕上がりに大きな差が生まれます。

和牛JBグラブの製造方法は一貫方式。一つのグラブに対して一人の職人がすべての作業をおこなっています。 この方法を採用している理由は、組み立ての最初から最後まで携わることで最終的なグラブの仕上がりイメージが湧きやすく、細かい部分の調整や次の工程への準備、加減などがスムーズにおこなえるためです。

和牛JBグラブを制作しているのは、これまでに数々の日本のトッププレーヤーたちのグラブ製作に携わってきた、比類のない「実績」と「技術」を持つ最高峰のグラブ職人です。


一貫方式の製作風景

しわや傷は「本物の証」

和牛JBグラブはなめし工程において、「素上げのノンスリップ加工」という方法を採用しています。これはなめす前の皮が持つ「自然な状態」を残し、和牛本来の柔らかさをを生かすための仕上げ方です。この方法により、和牛JBグラブは他には見られない「柔らかさ・しなやかさ・フィット感」を持っています。

完成した和牛JBグラブには、時折「しわ・傷」がわずかに残ることがございます。海外産のグラブの中には、しわや傷を隠す目的で塗料を大量に使用して仕上げているものが多くありますが、これが型崩れの原因となり、耐久性に問題を生じさせます。 私たちはそのしわや傷を隠すようなことはしません。

隠さずに見せることで、自然な状態を残した加工方法を採用していることに「嘘偽りがない」と証明しています。 一般ユーザーがグラブを選ぶ際、その捕球面のしわや傷などを見ると、グラブの評価を下げてしまいがちですが、和牛JBグラブのしわ・傷は「本物の証」です。クオリティに関する心配は一切ございませんのでご安心ください。

「Made in Japan」にこだわり、最高ランクの素材と高度なタンニングによって仕上がった革を、名だたる選手のグラブを手掛けるグラブ職人が形にします。

優れた耐久性を持ちながらも軽量でソフトかつもちもちとした感覚のグラブは、日本のプロをはじめメジャーリーガーからも高く評価され、オーダー受注に至っています。


和牛JBのレザー拡大写真

最後に

今回は、和牛JBグラブ・ミットの誕生ストーリーをお伝えしました。こだわりについても触れさせていただきましたが、和牛JBグラブが他に例を見ない野球グラブ・ミットだということがお分かりいただけましたでしょうか。 今回のWebマガジンを読んで少しでも「和牛JBグラブに興味がわいた」という方は、ぜひ以下のバナーからチェックしてみてください!

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