2021年、アメリカンリーグでMVPを受賞するほどの大活躍を見せた大谷翔平選手。素晴らしい成績はもちろんのこと、バットの素材をアオダモからバーチへ変更したことでも話題となりました。
大谷選手の活躍もあって、徐々にバーチ材バットへの注目は高まっていますが、日本での流通量はまだそれほど多くありません。そのため「名前は知っているけれど実際に手に持って振ってみたことがない」「バーチ材バットの特徴や打感がよく分からない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はそうした方のために、バーチ材バットにはどのような特徴があるのか、どういった使用感なのかということを、大谷選手がバーチ材バットに変更した理由も交えながら解説いたします。また、ボールパークドットコムがこだわり抜いて製作したバーチ材バット「Gale(ゲイル)」シリーズのご紹介もさせていただきますので、ぜひ最後までご覧ください!
著者情報
和牛JBグラブ、和牛JBバット、JB竹バット、各種トレーニングバット、グラブトリートメント等、各種野球用品を製造販売する野球用品メーカー、【ボールパークドットコム】です。
弊社ではアオダモ・メイプル・バーチ・ホワイトアッシュ・竹など、さまざまな素材のバットを製造・販売しております。バット探しでお困りのことやご相談等がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
バーチ材とは?
まずはバーチ材とはどういうものなのかというところから解説していきます。バーチは日本でいう樺(カバ)の木のことです。木目や材質がサクラに似ているので「カバザクラ」と呼ばれることも。
生息している範囲が非常に広く、産地によって木材の色味が異なるため、「イエローバーチ・レッドバーチ・ホワイトバーチ」などと色で区別される場合もあります。また、木の中心から離れるほど白っぽい色、中心に近づくほど赤みを帯びた色になり、どの部分を使用するかによっても色味が変化します。
バーチ材には以下のような特徴があります。
こうした特徴があることから、バーチ材は住宅の内装や家具、雑貨など、幅広いものに使用されています。そしてバット材にも非常に適している素材なのです。
バーチ材バットの特徴と使用感
バーチ材は比重が軽く、バットを太くしても重さがほとんど変わりません。
軽い重量設定でも反発力の強いバットを作ることが可能なため、「軽いバット」の需要が高まっている近年の野球界において、注目を集めています。とあるプロ野球選手は、800g台前半という驚異的な軽さのバーチ材バットを使用しているという話もあります。
また、バーチ材バットは堅くて強度があるため、メイプル材バットに近い“弾くような打感”です。それに加え、ほどよい“しなり”も持ち合わせています。「メイプルでは打感が堅すぎる」「軽いバットを探している」という方にはぜひ試していただきたいバットです! 「軽いバット」についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
大谷翔平選手がバーチ材バットに変更した理由
冒頭にも記述したように、大谷選手は2021年のシーズンを迎えるにあたり、バットの仕様を大きく変更しました。それには二つの理由があります。
一つ目は、“ボールを弾き返すイメージ”に変えたかったからです。それまで使用していたのはしなりのあるアオダモのバットでしたが、反発力が高いバーチ材のバットへ変更しました。大谷選手がバーチ材バットを使用したのは2021年のシーズンが初めてだったといいます。
二つ目は、“ミート率”を上げたいという理由からです。打率重視のバットにするため、ボールをとらえる芯の範囲をグリップ方向に広げてバットを太くしました。また、以前使用していたバットはトップバランスでしたが、芯の範囲を広げたことでミドルバランス寄りになり、バットコントロールがしやすい形状になっています。
つまり、“強い反発力”と“比重が軽い”という特徴を持つバーチ材が、大谷選手の希望にぴったりマッチする最適な素材だったというわけです。 打感が大きく違うバットへ変更したにも関わらず、ホームラン46本、100打点、26盗塁という素晴らしい成績をおさめた大谷選手。しかもそれがメジャーリーグで低反発球が導入されたシーズンにおいての成績ですから、本当に驚きですよね。
バーチ材とビーチ材の違い
バーチ材と名前がよく似ているために混同されてしまいやすい「ビーチ材」という素材があります。ご存じの方もいらっしゃるとは思いますが、注意していただきたい点がありますので解説しておきます。
ビーチとはブナの木のことで、バーチ材と同様に堅く丈夫なため、家具や住宅の建材などさまざまなものに使用されています。バーチ材との違いは、“曲げ加工”がしやすいという点です。
そのため、曲線が美しいデザインの椅子や、湾曲のあるハンガーなどにも使用されています。 ビーチ材はそうしたメリットがある反面、乾燥処理が不十分な状態では反りや歪みが出やすいといわれています。乾燥処理技術の進歩によりこのような現象は少なくなっていますが、極度な乾燥状態には注意した方がよい素材です。
また、バーチ材もビーチ材もどちらもバットの素材として使用されていますが、打感には大きな差があります。バーチ材のバットがメイプルバット寄りの弾くような打感であることに対し、ビーチ材バットはアオダモバット寄りのしなりのある柔らかい打感です。
名前や用途は似ていても、バットとして比べた時には大きな違いがありますので、どちらか一方のバットのご購入を検討されている方は、特に気をつけるようにしてください。
“軽さ”と“強さ”を兼ね備えたバーチ材バット「Gale(ゲイル)」をご紹介
バーチ材バット「Gale」は、ボールパークドットコムがこれまでに培ったバット製作技術を集結させた「至極の一本」です。厳選された北米産イエローバーチでを使用し、非常に振り抜きやすく、これまで以上に鋭いスイングを可能にします。
84cm/855g(平均)と、市販の硬式木製バットの中では極めて軽いバットですが、軽くてもヘッドの効いたスイングができ、インパクトの際に最大限の力をボールにぶつけられるよう、重量とバットバランスを調整しているので、「軽さ」と「 強さ 」を兼ね備えた超ハイブリッドバットといえます。「鋭いスイングで打球を遠くに飛ばしたい」という方に最適なバットと言えるでしょう!
軽量化に適した6モデルを抜粋
Galeはボールパークドットコムで人気のJB20モデルの中から、トップバランスで長打が狙えるモデルと、ミドルバランスでシャープに振り抜けるモデルを抜粋しました。それぞれの特徴をご紹介します。
GALE-004【トップバランス】
スレンダーなボディーと、ヘッドバランスが特徴。グリップエンドは若干小さめの直径51㎜。グリップエンド部分から押し手の握り部分にかけて若干絞っている。握り安さ、振りぬきやすさ抜群。
GALE-005【トップバランス】
スレンダーなボディーと、ヘッドの切り落としカットが特徴。グリップエンドは若干厚めの26㎜、直径は52㎜。バットコントロール抜群なスレンダーボディーのヘッドバランス設計。
GALE-006【トップバランス】
メリハリの利いたボディーとヘッドバランスが特徴。グリップエンドは直径53㎜。バットコントロール抜群の設計。振り抜きやすさも抜群。
GALE-013【ミドルバランス】
握りやすさを追求した手に馴染みやすいフレアグリップ。アベレージヒッター好みの手元重心設計で振りやすさも抜群に良い。
GALE-016【ミドルバランス】
全体的にスレンダーボディーのしなやかなバット。グリップもコックを保ちやすい形状のため、ヘッドの重みを感じながら打席に立つ感覚を求めるバッター向き。
GALE-018【ミドルバランス】
曲線美を感じる理想的なボディ。丸みがかったヘッドは振り抜きやすさへのこだわり。絶妙な厚みを施したグリップエンドは、グリップを支点とした柔らかいリストワークが可能に。
「Gale」はこんな方におすすめ!
まとめ
今回はバーチ材バットの特徴と使用感を解説したうえで、ボールパークドットコムのバーチ材バット「Gale」シリーズをご紹介しました。バーチ材バットの魅力が少しでも伝わりましたでしょうか?
「軽いバットを探している」という方はぜひバーチ材バットを試してみてくださいね!