「うちの子供には、どのサイズのバットが合うのか。。。?」そんな疑問をお持ちの親御様から相談をいただくことも多くあります。 身長や技量がどんどん伸びていくジュニア世代において、各々に合ったサイズのバットを選ぶのは、一般の方にとってはなかなか難しいことだと思います。
しかしながら、誤ったサイズのバットを選んでしまうと、バッティングの基礎が身に付きにくくなったり、伸び盛りの身体に負担がかかってしまう恐れがあります。
今回は、これまで弊社が培ってきた経験をもとに、正しいバットサイズを選ぶことの重要性や、バット選びのポイントなどについてお伝えします。ぜひ今後のバット選びにご活用ください。
著者情報
和牛JBグラブ、和牛JBバット、JB竹バット、各種トレーニングバット、グラブトリートメント等、各種野球用品を製造販売する野球用品メーカー、【ボールパークドットコム】です。
弊社では、技術の向上に役立つ道具選びのはじめの一歩は、ポジションはもとより、自分が目指すプレースタイルを確立させ、そのスタイルに合った道具を選ぶことだと考えています。その考えを軸に、ジュニアから高校野球、社会人やプロまで、個人の身体やレベルに合わせたバット・グローブを自社工場で製造しています。
正しいサイズのバットを選ぶことの重要性
近年では「打撃技術の向上」のために、あらゆる効果が期待できるさまざまな種類のトレーニングバットが開発されています。基礎が身に付き、体ができている選手がそれらのトレーニングバットを使って練習するのは非常に効率がいいでしょう。
しかし、筋力アップやスイングスピードを速くすることを目的として、成長期の子どもに大人用の重いバットを振らせることには注意が必要です。子どもによって多少の個人差はありますが、一般的には小学生から中学生の間は体に見合った筋力がまだ身に付いていないと言われています。
筋力がついておらず、骨格が幼若な体で長すぎたり重たすぎたりするバットを振り続けると、肘や腰、膝の故障につながります。実際に中学生の名門ボーイズチームに入部する子どもの中には、体ができあがっていない状態で重いバットを振りすぎて、「腰椎分離症(分離すべり症)」になる選手が増えてきているという報告もあります。
腰椎分離症は、発育期に同じ動作を反復することによって椎弓(ついきゅう)と呼ばれる腰椎の後方部分に負荷がかかり、疲労骨折してしまうことが原因です。その結果、練習中や試合中に腰の痛みを感じるようになり、徐々に悪化していきます。
こうした事態にならないように、正しいサイズのバットを選ぶことが重要なのです。体に合ったバットとは、自然にスイングできるバットのことです。体ができあがっていない発育期においては、体に負担のない状態でバットの芯でボールを捉えるトレーニングをすることが、バッティング技術の向上につながります。まずは自分の体に合うサイズのバットを探すことから始めましょう。
正しいバット選びの5つのポイント
正しいバットを選ぶためのポイントとして、以下の5つの項目をチェックしましょう。
1. 長さ
バットの長さはバッティングに大きな影響を与える要素です。基本的には長くなればなるほど遠心力が働き、バットにボールが当たるインパクトの瞬間のエネルギーは大きくなります。一方で、短いほうがフォームを崩さずにコンパクトなスイングをしやすくなります。
一般的なバットの長さ
まず、一般的に使用されているバットの長さを以下に簡単にまとめてみました。体が大きくなるごとに、バットの長さも長くなっていることが分かります。
長さを選ぶ際の目安
バットの長さを選ぶ際の基準としては、「脇から指先までの長さ×1.3cm」という計算式や、「バットを地面に立てたときに腰骨あたりの高さになるもの」などがあります。
これらの基準をもとに、飛距離を伸ばしたい場合は遠心力を利用できる少し長めのもの、振り抜きやすさやバットコントロールのしやすさを重視する場合は短めのものを選ぶとよいでしょう。
少年野球のバットの長さに関しては、弊社ボールパークドットコムで作成した目安や一覧表がありますので、参考にされてみてください。
上記の表が目安となりますが、写真のように、バットのグリップを胸の中央にあてて、手を伸ばしたときに指先がバットの先端にかかる長さがベストサイズです。
もちろんこれらは一つの「目安」であり、「絶対」ではありません。お子さまそれぞれの技量や体格によってサイズが前後することもあります。 サイズ選びに迷った場合は、専門スタッフよりしっかりと案内させていただきますので、こちらのフォームからお問合せください。
2. 重さ
小学生が使用する一般的なバットの重さは350〜650gです。低学年のお子さまや野球初心者の場合は、まだバットを振り慣れていなかったり、振る力が弱かったりするため、身長に合う長さで一番軽いものを選びましょう。
高学年となり野球に慣れてきた選手やパワーがある選手は、自分が振れる範囲で重ためのバットを選ぶとよいでしょう。重ためのバットは飛距離アップにつながります。
ただし前述した通り、重たすぎるバットはけがの原因にもなります。また、フォームを崩してしまったり、基礎が身に付きにくくなったりする可能性もあります。実際に振ってみてよろけてしまうほど重たいものは避けましょう。
中学生は軟式・硬式でそれぞれ使用する重さが異なります。軟式では大人用と同じ650g〜800g程度、硬式では800〜850g程度のバットが使用されています。 高校生以上の方は、公認野球規則でアマチュア野球(硬式)のバットの重さは900g以上と定められているため、それ以上の重さのものを選びましょう。
持ったときに少し軽く感じる程度のものがおすすめです。重すぎるとスイングスピードが遅くなって振り遅れの原因となり、反対に軽すぎるとバッティングの軸がブレてバットコントロールが難しくなります。
3. バランス
バランスとはバットの重心の位置のことです。それぞれの製品によってバランスは異なり、カウンターバランス・ミドルバランス・トップバランスの3種類に分かれています。また、同じ種類のバランスであっても重心位置はメーカーごとに異なり、統一されているわけではありません。実物を振って確認するようにしましょう。
トップバランス
バットのヘッド(先端)側に重心があり、遠心力を生かして飛距離を伸ばすことができます。重さを感じやすくバットコントロールが難しいため、初心者向きではありません。技術力とパワーのある選手におすすめのバットです。
ミドルバランス
バットの中心に重心があるスタンダードなバットです。ボールの飛距離やバットコントロール、振り抜きやすさ等のバランスが良いため、初心者から上級者まで幅広い層に選ばれています。
カウンターバランス
バットのグリップ側に重心があり、軽くて扱いやすいバットです。初心者やパワーに自信がない方、ヒットを量産して高い打率を維持する「アベレージヒッター」と呼ばれるタイプの選手などに向いています。一方で、商品数が少ない、長打が出にくいなどのデメリットもあります。
4. グリップ
グリップの太さや形状は各メーカーごとに異なるため、実際に握ってみた感覚で選ぶことをおすすめします。
一般的に、細いグリップでグリップエンドが小さいものは遠心力を使えるためパワーヒッター向け、反対にグリップが太くグリップエンドが大きいものはバットコントロールしやすいためアベレージヒッター向けとされています。
また、グリップは購入後にテープを巻いて太さを調整することもできるため、迷ったときは太すぎないものを選ぶとよいでしょう。
5. 素材
バットの素材を大きく分けると、金属・木製・複合の3種類です。それぞれの特徴を解説します。
金属
金属バットは芯が広い・ボールの飛距離を出しやすい・耐久性に優れている・軽いなどの特徴があります。金属の中でもチタンやアルミなどいろいろな素材がありますが、より薄く軽く加工できるジュラルミン製のものが人気です。
木製
木製バットは大学生や社会人、プロ野球の試合で使用されています。芯の範囲が狭く、飛距離を出すにはボールを芯で捉える必要があるため、少年野球ではバッティング技術向上のためのトレーニングに用いられます。甲子園常連校などが練習で使用している竹バットも木製バットの分類です。
複合
カーボンなど複数の素材が使用されているバットです。芯の部分に柔らかいウレタンを使うことによって反発力を高め、飛距離を伸びやすくしています。硬式野球の試合では使用を認められないケースが多いですが、軟式野球では注目を集めています。
当社おすすめの「リアルグリップトレーニング竹バット:全15タイプ」
今回は正しいバットサイズを選ぶことの重要性や、バット選びの5つのポイントをお伝えしました。素敵な1本にめぐり会うための参考にしていただけましたら幸いです。
ボールパークドットコムでは15サイズ・76モデルのバットを製造・販売しており、取扱数は日本一を誇ります。その中で、当社がおすすめしたいトレーニングバットが「リアルグリップトレーニング竹バット」です。成長に合わせて選べるように、全15タイプを揃えています。
竹バットとは、竹定期サイズの竹板を張り合わせて角材を作り、その角材をバット形状に削って作った合竹バットです。堅くて折れにくいため耐久性が高く、また打撃時に芯を外すと手にひびくため、ボールを芯で捕らえる練習に最適です。野球強豪校では竹バットを使ったトレーニングが当たり前となっており、特に短いサイズのバットは、大人が短尺バットのトレーニングをする目的としてもご使用頂けます。
もしバットのサイズ選びでお困りのことやご相談等がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。