前回のWebマガジンでは、「バッティングの欠点を克服するための実践トレーニング」をご紹介しました。
今回はその中の「片手打ちトレーニング」について、より詳しく解説させていただきます。 「スイング軌道が乱れやすい」「バットコントロールを向上させたい」という選手はぜひ最後まで読んで練習に取り入れてみてください。
著者情報
和牛JBグラブ、和牛JBバット、JB竹バット、各種トレーニングバット、グラブトリートメント等、各種野球用品を製造販売する野球用品メーカー、【ボールパークドットコム】です。
弊社では一般的な試合用のバットだけでなく、竹バットやラミーバット、長尺バットなど、多種多様なトレーニングバットの製造・販売も行っております。選手一人ひとりの目的や好みに合わせたトレーニングバット選びが可能ですので、お困りのことやご相談等がございましたらお気軽にお問い合わせください。
片手打ちトレーニングのメリット
トレーニング方法をお伝えする前に、片手打ちトレーニングにはどのようなメリットがあるのかを解説しておきます。
片手打ちトレーニング最大のメリットは、「引き手」と「押し手」の使い方が習得できることです。
「引き手」とは、打席に立った時に投手側にある腕のこと。主にトップからインパクトの段階でバットを自分の体に引き寄せる役割を果たします。一方、キャッチャー側の「押し手」は、インパクトからフォロースルーの段階で前に押し出すことが主な役割です。
この引き手と押し手それぞれの役割分担がうまく行えているかを確認できるのが、片手打ちトレーニングです。腕がうまく使えるようになるとスイング軌道が安定し、必然的にバットコントロールも向上します。
その他にも片手打ちトレーニングには以下のようなメリットがあります。
片手打ちトレーニングの方法とポイント
ここからは具体的なトレーニング方法とポイントを解説していきます。
片手打ちトレーニングの方法
片手打ちトレーニングを効果的に実施するための方法がありますので、紹介します。
この方法は、安定したスイング軌道を作るためのユニークなトレーニング方法です。バットを持ってティーを行う前に、まずはバットを持たずに引き手と押し手それぞれの役割をしっかりと確認するという点が特徴になります。
引き手と押し手の動作をしっかり確認できたら、実際にバットを持って片手打ちティーを行います。その後、仕上げとして両手ティーを行うという流れです。
引き手
- 手のひらを下に向け、トップの位置に持ってきて構える
- ひじからボールを迎えるように腕を動かし、最終的に手の小指側で平行にボールをチョップする。1と2の動作を繰り返し行い、腕の使い方を確認する
- 確認できたら次はバットを持つときと同じように手の小指を下にして(手のひらを体側に向けて)トップの位置で構える
- 手のひらが下を向いていくようにひねりながら2の動作を行う。3と4の動作を繰り返す
- バットを引き手だけで持ち、腕の使い方を意識しながらティーバッティングを行う
押し手
- 手をこぶしに握り、ひじを引いて体の近くに持ってくる
- ボクシングのボディブローをするようにボールをパンチする。1と2の動作を繰り返し行い、腕の使い方を確認する
- 使い方が確認できたら、次はバットを持つときのように小指を下にしてこぶしを握り、ひじをあげてトップの位置で構える
- 脇を閉めていくのと同時に手を返しながらボールの高さにこぶしを持ってきて、2の動作を行う。3と4の動作を繰り返す
- バットを押し手だけで持ち、腕の使い方を意識しながらティーバッティングを行う
片手ずつでのティーバッティングが終わったら両手でティーバッティングをする、次にトスやフリーバッティングで動くボールを打つというように、徐々に段階を上げてみましょう。
トレーニングのポイント
片手打ちトレーニングでは理想的な腕の使い方を習得することができますが、実際にトレーニングを行う際に意識してほしいポイントがあります。それは、腕を「振る」のではなく、腕で「スイング軌道を作る」ということです。
腕やリストを使って力まかせに振るスイングは、局地的なスイングスピードは早くなるかもしれませんが、軌道が崩れやすくなります。軌道を安定させるためには、極力腕は使わず、体に密着させたような状態でバットの位置だけを調整し、体幹や体全体を使ってスイングすることが大切です(写真参照)。
なお、スイング軌道にバットの面を長く乗せようとすると「ヘッドが走らない」という現象が起きる場合があります。スイング軌道とヘッドを走らせることのどちらか一方を重視するのではなく、両方バランスよくトレーニングを行うことが大切です。
ただし、ひっかけることが多ければヘッドを返さない練習が必要になります。 また、片手打ちトレーニングは誤ったフォームで行うと逆効果になるおそれもあります。以下のポイントをチェックしながらトレーニングを行うようにしてください。
これらに加え、片手で勢いのあるボールを打つことは手首や肘に負担がかかり、けがの原因にもなります。ボールを打つ場合はトスバッティングやティーバッティングを行うようにしましょう。
片手打ちトレーニングにおすすめのバットをご紹介
弊社ボールパークドットコムでは、一般的な試合用のバットだけでなく、片手打ちトレーニング専用バットの製造・販売も行っています。
ラインナップは50cm/450g平均と60cm/650g平均の2種類。どちらも肘や手首に負担のかからない短め・軽めの作りになっています。特に少年野球の選手におすすめの長さ・重さです。ヘッドは高級感のあるゴールドとシルバーのカラーリング。
今回の記事を読んで「片手打ちトレーニングを取り入れてみたい」と思った方はぜひ詳細をチェックしてみてください。