竹バットについて徹底解説します!

バッティング技術の向上のために、なぜ竹バットを選ぶのか?竹バットの特徴とは?竹バットに関するあらゆる情報を、徹底解説します。

written by : ボールパークドットコム

竹バットのバッティングインパクトの瞬間

高校野球では2024年から現行の金属バットと比べて飛ばない“低反発バット”の導入が決定しました。

現在は移行期間として現行の金属バットと低反発バットの両方の使用が認められていますが、2024年春の選抜からは完全移行となります。 低反発バットへの移行に備え、竹バットでのトレーニングを採用する甲子園常連校が多くなってきました。

また、2006年4月以降に生まれた“低反発バット世代”となる小学生・中学生のチームにおいても採用されるケースが増えてきています。

竹バットとは?

竹バットは定期サイズの竹板を貼り合わせて角材を作り、その角材をバットの形状に削ることで作られています。

昔から高校生を中心に打撃練習用として愛用されてきた「木製バット」に分類され、最近では甲子園常連校だけでなく、少年・中学・高校・社会人野球と、幅広い世代の練習に取り入れられています。

竹バットによる練習風景

竹バットの特徴や効果

竹バットの主な特徴は、以下のとおりになります。

  1. 金属バットに比べてミートポイントや重心がヘッド(先端側)寄りになっている
  2. ヘッドが重い分、芯でボールを捉えなければ振り抜きづらい(芯に当たらないとボールが飛ばない)
  3. しなりがあるため、インパクトの瞬間にボールを「乗せる」「押し込む」感覚がある
  4. インパクトの瞬間からの振り抜きに技術を要する(インパクトの瞬間にバットがしなる感覚を覚えるため、インパクト後にヘッドを前方に振り抜く意識が必要。理にかなったスイングであれば、ヘッドの重みによる遠心力を効かせてボールを遠くに飛ばすことができ、より強い打球を打てる)
  5. トスバッティングでもボールをバットの芯で捉えられているかどうかが振動で分かる。スピードボールであれば、詰まった時・先端に当たった時に手に強い振動がきて手がしびれる
  6. 消音性に優れている
  7. 堅くて折れにくい ※ただし、竹バットは天然素材のため打ち方次第で折れることもあり、保管方法によっては寿命が変わります。

竹バットの豆知識

上記のような特徴があるため、多くのプロ野球選手にも愛された練習用バットであり、歴代の名選手たちが竹バットを使ってきました。その一例を紹介します。

  • 元メジャーリーガーの松井秀喜さんは、巨人入団時に使い込んだ竹バットを持ち込んだ。
  • ミスターこと長嶋茂雄さんは、小学校4年生から野球をはじめ、最初から練習に竹バットを使っていた。
  • 最近の事例として、巧みなバットコントロールに定評のある中川 圭太選手は、中学時代に所属した泉佐野シニアで芯に当たる感覚をしっかり覚えるために竹バットを使っていた。
  • 竹バットは飛ばない?

    竹バットは芯の範囲が金属バットの約3分の1と狭く、きちんと芯に当てなければ飛距離は伸びません。そのため、試合で使う場合はデメリットになります。

    プロ野球であれば、試合に使うバットは木製でなければならず、プロが竹バットを使っているのを見かける機会は非常に少ないでしょう。

    日本野球連盟では、社会人野球では公式戦における竹バットの使用も認めていますが、主にトレーニング用としての使われるという点を覚えておきましょう。

    また、竹バットは前述のとおり、竹バットの重心は金属バットよりもヘッド寄りになっています。そのため、金属バットよりもバットのヘッドが重くなるため、スイングスピードが遅くなります。

    この点も竹バットがバッティング技術の向上に効果があるという理由になるのですが、竹バットで練習を繰り返すことで、スイングスピードの向上が期待できます。スイングスピードが速くなることにより、本番用バットを使った際により強い打球を打つことが出来るようになるというわけです。

    竹バットのメリット

    竹バットでバッティング技術が伸びる理由を大まかに説明してきましたが、具体的には次の3つの技術の習得に役立ちます。

    1:ボールをバットの芯で捉えられるようになる

    バッティングの基本はボールを“芯”で捉えることです。芯の範囲が狭い・芯を外すと手がしびれるという竹バットの特性を生かしたトレーニングをおこなうことにより、芯で打つ感覚や芯を意識したバッティング技術を習得することができます。

    また、自分の体に合う竹バットを使うことで、バットコントロールの向上も期待できます。

    2:正しいフォームが身に付く

    ヘッドの重みも竹バットの特徴の一つです。日々の練習でヘッドの重みを利用したスイングを繰り返すことで、バットスイングの正しいフォームを自然に身に付けることができます。

    3:スイングスピードが速くなる

    金属バットに比べてヘッド寄りに重心のある竹バットで練習を繰り返すことでリストが強化され、スイングスピードの向上が期待できます。

    スイングスピードが速くなることによって、より強い打球が打てるようになります。

    竹バットのデメリット

    竹バットはバッティング技術が向上するという大きなメリットがある一方で、試合に使うとした場合は、打感が悪い・手がしびれる・飛距離が出ないといった点がデメリットにもなります。

    なお、試合にも使うとするならば、最近はこうしたデメリットが解消されるような進化した竹バットも登場していますので、参考にされてみてください。

    炭化竹バット

    加圧・加熱処理した炭化竹が使用されています。素材の硬化・メイプルのような打感・手のしびれの軽減を実現しており、竹バットの欠点が解消されたバットと言えるかもしれません。

    竹ラミバット・ラミーバット

    竹にメイプル材など他の素材を張り付けて打感や強度を上げた合板バットです(ラミーバットの特徴について詳しく解説した記事はこちら)。打感は張り合わせた素材に近いと言われており、メイプル材が使用されているものであれば弾くような打感があります。

    飛距離も芯を捉えれば一本木バットと変わりません。耐久性に優れており、トレーニング用バットとして人気上昇中です。当店のラミーバットは以下をクリックするとご覧いただけます。

    竹バットは小学生〜中学生の硬式野球選手におすすめ!

    子どもは非常に順応性があり、経験したことや繰り返しやったことがすぐに体に身につきます。また、体が一度覚えてしまえば、しばらくブランクがあってもすぐに体が思い出します。

    良い癖であればいいのですが、悪い癖がついてしまうとなかなか抜けません。 鳴り物入りでプロへ入団した強打の高校生が、その後期待どおりに活躍できないケースがあります。その理由の一つが金属バットの打ち方から抜け出せないことなんです。

    スイングの癖を抜くには非常に長い時間を要するため、なるべく早く竹バットでの練習を始めることをおすすめします。 子どもの身体的な成長時期や発達のスピードはさまざまですが、一般的には10歳前後の年齢で「バランス能力」の基礎がつくられ、12歳以降の年代で「筋力」が充実すると言われています。

    力任せに打つような偏った悪い癖がつかないよう、小学生・中学生時期の体の成長に合わせた長さ・重さの竹バットを使用し、将来のバッティング技術向上に役立つ「正しいフォーム」を身に付けましょう。

    小中学生が使用するトレーニングバットの重さ・長さ

    重たいバットを振りすぎると「腰椎分離症」に

    近年は「打撃技術の向上」のために、あらゆる効果が期待できるさまざまなトレーニングバットが開発されています。それらのバットを目的や用途に合わせて練習に使用するのは非常に効率がよいでしょう。しかし、筋力アップのためやスイングスピードを速くするために成長期の子どもに大人用の重いバットを振らせるのには注意が必要です。

    子どもの成長は人によって多少のばらつきがありますが、一般的には小学生~中学生の間は体に見合った筋力が身についていないことが多いと言われています。そのため、自分の体に合わない重いバットを振り続けると、体に負担が生じてケガにつながるおそれがあります。

    実際に中学生の名門ボーイズチームに入部してくる子どもの中には、体ができあがっていない状態で重いバットを振りすぎて「腰椎分離症」になっている選手が増えてきていると報告されています。

    これは、発育期において繰り返し腰椎にストレスがかかって椎間板が傷んでしまい、前方も支えられなくなった状態のことです。背骨の安定性が失われ、上下の骨にずれが生じるため、腰に力が入りにくくなったり、神経が圧迫や刺激を受けてしびれや痛みを感じたりする症状となります。

    そうならないためにも、まずは自分の体に合うサイズのバットを探すことから始めましょう。 体に合うバットとは、自然なスイングができるバットのことです。体に負担の無い状態でボールをバットの芯で捉えるトレーニングをすることがバッティング技術の向上に繋がります。

    正しいバットサイズ選びについての記事はこちらをご覧ください。

    バットの重さの目安

    小学生が使用する一般的なバットの重さは350〜650g。中学生は軟式・硬式でそれぞれ使用する重さが異なり、軟式では大人用と同じ650g〜800g程度、硬式では800〜850g程度のバットが使用されています。

    前述した通り、重たすぎるバットはけがの原因にもなりますし、フォームを崩してしまったり、基礎が身に付きにくくなったりする可能性もあります。実際に振ってみてよろけてしまうほど重たいものは避けましょう。

    芯に当てる感覚を養うには、持ったときに少し軽く感じる程度のものがおすすめです。

    バットの長さの目安

    以下はボールパークドットコムが独自に作成した身長・体重別のバットサイズ一覧表です。サイズ選びに迷われた時はぜひご活用ください。

    バットサイズの計測方法

    図のように適性サイズを計測することも可能です。身長・体重別一覧表と合わせて自分の体に合うバット選びの参考にしてみてください。

    また、少年・中学野球用竹バットの選び方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

    バットサイズの選び方

    竹バットは高校硬式野球選手のトレーニングにも最適

    2024年から「低反発金属バット世代」始まる!

    冒頭にも書いた通り、高校野球では2024年から現行の金属バットと比べて飛ばない“低反発バット”の導入が決定しました。低反発バットを試験的に使用したチームからは「木製バットよりも飛ばない感覚がある」といった声が多くあがっています。

    金属バットでは芯を外しても力で押し込めば内野の頭を超えるヒットになっていた打球が、低反発バットになると簡単に凡打となってしまうこともあるでしょう。新ルール適用後はこれまでよりも芯で捉える技術が要求されます。

    竹バットでの練習が低反発バット攻略のカギを握る

    竹バットを使うことで低反発バット完全移行に向けた準備と、将来高いレベルで野球をするために必要な木製バットの使い方を身に付けることができます。

    竹バットは芯を外すと打球が飛びにくく、狭い芯でボールを捉える練習ができるので、“低反発バット”への有効な対策になります。

    高校野球に進む前のジュニア世代においても、低反発の金属バットや木製バットの導入が進みつつあります。例えば、ポニーリーグは2022年5月から木製バットに限定した大会を開催しています。これらを鑑みても、できるだけ早い段階で木製バットの扱いに慣れておいた方が得策です。

    竹バットは軟式野球の試合で使用できる?

    ちなみに、竹バットは公認野球規則で少年(硬式/軟式)・中学・高校・大学・社会人野球の試合での使用が認められています。

    JSBB(全日本軟式野球連盟)の公式試合では、金属バットにJSBB公認マークが入っていなければ使用できませんが、竹バット(木製バット)はマークが入っていなくても使用できます。

    バッティングセンターに竹バットを持ち込みしてもいい?

    バッティングセンターは打球音などを気にすることなく練習に集中できるため、利用したことがある選手も多いのではないでしょうか。その際に、普段使用しているバットを持ち込むか、備え付けのバットを使うか迷ったことはありませんか?

    バッティングセンターのボールは、軟式野球のM号球やJ号球よりも重くて硬いボールが使用されているケースがほとんどです。「バットをできるだけ長く大切に使いたい」と思うのであれば、比較的安価な竹バットであっても、バッティングセンターで使用することはおすすめできません。

    これは竹バットに限らず、他の素材のバットも同様です。 しかし、普段使用しているバットを持ち込むことでより実践的な練習ができるというメリットもあります。

    もしバッティングセンターに個人のバットを持ち込む場合は、メリット・デメリットをきちんと理解したうえで、自己責任で練習しましょう。

    実は、竹バットは経済的

    竹バットは硬くて折れにくいのが最大の特徴です。 耐久性に優れているので練習でガンガン使用することができ、正しい使い方をしていれば2年以上の使用も可能です。

    また、メイプル・バーチ・ホワイトアッシュといった試合用の木製バットや金属バットに比べて1本あたりの値段が安く、お財布に優しいことも特徴。 もしボールの当たり所が悪くて折れてしまっても、1本6,000~7,000円で買い直すことができます。

    竹バットのコストパフォーマンスについての記事はこちら

    今回は竹バットについていろいろな角度から解説させていただきました。高いレベルを目指している選手はぜひ早い段階から竹バットトレーニングを取り入れてみてください。

    なお、当店の竹バットシリーズは日本最大級の品ぞろえを誇っております。詳しくは、以下のバナーをクリックいただけますとご覧いただけます。